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精神症状による後遺障害
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◎交通事故ので、精神症状による後遺障害

  • ○ 交通事故の恐ろしい記憶が蘇ってきて辛い(PTSD)
  • ○ 交通事故後、しつこい痛みが辛くてうつ病になってしまった(うつ病)
  • ○ 交通事故で酷いけがをして以来、精神的に不安定になってしまった(外傷性神経症)
交通事故に遭うと、そのときの恐ろしい記憶が消えずに「PTSD」になってしまったり、将来に希望を持てずに「うつ病」になってしまったりする方がおられます。
このような精神的な症状でも、後遺障害認定される可能性があります。
以下では、交通事故でうつ病やPTSDなどの精神病となってしまった場合の後遺障害について、山口の弁護士が解説します。

1.精神の後遺障害とは

交通事故が原因で「精神の後遺障害」が残るケースがあります。
精神の後遺障害とは、交通事故の恐怖体験が記憶にこびりついて「PTSD」になってしまったり、不安感にさいなまれてうつ病になってしまったり、外傷がもとでノイローゼ状態になってしまったりする精神的な後遺症です。
精神の後遺障害の場合、身体的な後遺障害とは違って身体組織の損傷はありません。MRIなどの撮影をしても脳組織に異常は認められません。
しかし、患者自身の精神状態が異常になり、日常生活や仕事に多大な支障が出ます。ときには自殺衝動なども起こるので危険性を軽視できません。

2.精神の後遺障害の種類

代表的な交通事故を原因とする精神の後遺障害を3つ、ご紹介します。

2-1.PTSD

PTSDは英語の「Post Traumatic Stress Disorder」の頭文字をとった言葉であり、日本語にすると「心的外傷後ストレス障害」です。
人が強烈な精神的ショックを受ける体験をしたとき、それが心の傷となって残り、以後その辛い経験が何度も思い出されて恐怖を感じ続けるなどの症状がみられます。
恐怖体験のフラッシュバックが起こったり悪夢を見たり不眠状態となったりするケースもあり、まともに生活するのが難しくなる方もおられます。

2-2.うつ病

うつ病は、気分が異常に落ち込んで物事を悪くしか捉えられなくなり、希望を全く持てなくなるなどの症状がみられます。
集中力や思考力も低下し、何にも関心を持てなくなって無感動となり、人生に絶望してしまいます。
食欲低下や倦怠感、不眠などの症状も出たり、うつ状態が強くなると自殺衝動にかられるケースも多々あります。
交通事故でうつ病になるのは、けがをしたことによって将来に大きな不安を感じたり、慢性的に続く痛みにさいなまれて辛さに耐えかねたりした場合です。
特にCRPSという疼痛が発生する傷病にかかると、焼けるような激痛が続くためうつ病となる方がおられます。

2-3.外傷性神経症

交通事故で外傷を負ったことをきっかけにノイローゼ状態になってしまう方がおられます。
イライラが止まらなくなったり不眠状態になったり食欲不振が起こったりします。
こういった症状を「外傷性神経症」と呼びます。

3.精神の後遺障害認定基準

精神の後遺障害については、厚生労働省から後遺障害認定基準が明らかにされています。
以下の(1)の精神症状が1つ以上あり、かつ(2)の能力に関する判断項目の1つ以上に障害(能力の欠如や低下)があることが必要です。

(1)精神症状

  • ○ 抑うつ状態
  • ○ 不安な状態
  • ○ 意欲の低下
  • ○ 慢性化した幻覚や妄想
  • ○ 記憶または知的能力の障害
  • ○ その他の障害(衝動性の障害や不定愁訴など)

(2)能力に関する判断項目

  • ○ 日常生活における身の回りへ対応
  • ○ 仕事・生活に積極性や関心を持つ
  • ○ 通勤・勤務時間の厳守
  • ○ 普通に作業を持続できる
  • ○ 他人との意思伝達
  • ○ 対人関係・協調性
  • ○ 身辺の安全保持、危機の回避
  • ○ 困難や失敗への対応

4.精神の後遺障害の等級について

精神の後遺障害が認められる場合には、障害の程度に応じて9級、12級、14級のいずれかの等級に認定されます。
等級を判定するときには、本人に就労意欲があるかどうかも考慮されます。
後遺障害認定基準は以下の通りです。
9級10号 通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、就労可能な職種が相当な程度に制限されるもの
12級 通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、多少の障害を残すもの
14級 通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、軽微な障害を残すもの

5.精神の後遺障害認定を受ける際のポイント

5-1.交通事故との因果関係

精神的な症状が出た場合、それが交通事故によるものかどうかが争われるケースが多々あります。
たとえばうつ病になったとしても、交通事故以外の離婚や退職、職場でのパワハラなどのトラブルが原因になっている可能性があります。
因果関係については、精神症状の内容や発症時期、他に原因となり得る出来事などを考慮して総合的に判断されます。
後遺障害認定を受けるには「別の原因ではない」ことを示す必要があります。

5-2.素因減額

交通事故に遭って恐怖体験をしても、誰もが精神的な症状を呈するわけではありません。
本人のもともとの資質として精神病になりやすかったと判断されると「素因減額」と言って賠償金を減額されるケースがあります。
精神障害を証明するときには、交通事故を原因とする発症であることだけではなく、もともとの資質によるものではなかったことも説明しなければなりません。

5-3.医学的な証明

精神障害はMRIやCTでは証明できないので、証明が難しくなりやすいです。
証明するには交通事故後、速やかに精神科医による診察を受けて継続的に適切な治療を受け続けて経過をみてもらう必要があります。
事故当初から適切な治療を受けていないと「治療を受けていれば精神障害は回復していた」と判断されて後遺障害が認められないケースもあります。

5-4.症状固定の判断時期

精神障害の場合、「これ以上治療を続けても改善しない」という症状固定時の判断が非常に難しくなります。
専門医による適切な治療を十分な期間受け続けてもなお症状が改善しないとき、医師が回復の見込みがないと判断すると症状固定となります。

5-5.PTSDについて

PTSDについては、自賠責保険や裁判所はかなり厳しい判断基準を設けており、医師が「PTSD」と書いた診断書を持っていてもPTSDと認められないケースもあります。
そういった場合でも、外傷性神経症などの他の傷病名で後遺障害認定される可能性があります。
精神の後遺障害は身体の後遺障害以上に立証が難しく、後遺障害認定を受けるために慎重な対応が必要です。
山口で交通事故に遭い、精神的な症状に悩まされているなら、弁護士がサポートしますのでお早めにご相談ください。

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